病院や診療所を開設できるのは、医師・歯科医師個人だけではありません。
病院や診療所を開設する社団・財団として医療法人という制度が認められています。
医療法人は、株式会社や一般社団法人とは違い、設立するための手続とスケジュールが非常に煩雑です。
思いついたらすぐできる、というわけではなく、しっかりと計画を立てて入念な準備の下で進めていく必要があります。
この記事では、医療法人の設立を思い立ってから、実際に法人化して法人診療所として診療を開始するまでの大まかな流れについて解説をいたします。
- 個人診療所を医療法人化したいと考えている歯科・歯科医師の先生
- クライアント診療所の医療法人化を相談されている弁護士・税理士の先生
医療法人認可手続
医療法は、病院、医師・歯科医師が常勤する診療所等を開設する社団・財団を法人とすることができ、この法人を医療法人と呼ぶことにする、と定めています(医療法第39条)。
個人で開業しているクリニックを法人化したいと考えたときに、まずはこの医療法人を検討することになります(その他にも、一般社団法人を活用した診療所開設も可能です)。
そして、この医療法人は設立をするために主たる事務所の所在地の都道府県知事の認可を受けなければならず(医療法第44条第1項)、主たる事務所の所在地で設立の登記をすることで成立します(医療法第46条)。
この医療法人を設立するための都道府県知事の認可は、実際には都道府県の医療法人の担当部署が取りまとめています。
各都道府県によって医療法人の設立認可を受けるまでの手続は異なるのですが、今回は東京都で医療法人の新規設立の認可を受けることを前提に、診療を開始するまでのスケジュール・流れについて解説を進めていきます。
なお、医療法人には社団と財団がありますが、現在設立される医療法人の大半は社団である医療法人のため、この記事も医療法人社団を前提にしています。
まず、最初に大雑把な全体の流れについて下の図で把握しておきましょう。
まずは仮申請に間に合わせる
医療法人の設立認可申請のスケジュールは、様々な許認可の中でも特殊な部類に入ります。
ほとんどの都道府県で、申請をする期間が限られています。
東京都の場合は、年に2回、申請スケジュールが組まれています。
都道府県知事が医療法人の設立認可をするためには医療審議会の意見を聴かなければならず(医療法第45条第2項)、この医療審議会の開催予定に合わせて医療法人の認可スケジュールも運用されています。
東京都は、本申請の前に仮申請という受付期限を設けていて、まずは仮申請に向けて書類の準備をしていきます。
仮申請の受付締切は、例年9月上旬と3月中旬に設定されることが多いです。
令和3年度は、令和3年8月23日~27日と、令和4年3月15日~21日に設定されています。
仮申請の前に準備すること
事前相談
特に、医療法人の設立に合わせて新しい診療所を借りたり、あるいは新築する場合は、新しい診療所の構造設備が基準を満たすかどうかなどの確認が必要になるため、早い段階で関係各所と事前相談をしておくと良いでしょう。
具体的には
①都道府県の医療法人担当部署
②診療所予定地を管轄する保健所
③診療所予定地を管轄する地方厚生局の事務所
にそれぞれ事前相談を行います。
地方厚生局では、個人診療所時代から法人化すると、保険医療機関の指定を法人開設の診療所として新しく受ける必要があるため、そのスケジュールを特に把握しておくと、スムーズに個人開設診療所から法人開設診療所へと移行させることができます。
診療所を新築する場合は建築着工よりも前に、診療所を新しく賃貸する場合は契約を締結する前に事前相談しておくようにしましょう。
法人の名称と事業年度
医療法人の設立を決めたら、まずは名称と事業年度を検討しましょう。
医療法人の名称とは、医療法人社団○○会、の「○○会」の部分です。
街中で見かける多くの医療法人は「○○会」という名称が多いですが、必ずしも「○○会」に縛られる必要はありません。
ただし、使える名称や使えない名称などがあるため、名称を決めたら都道府県の担当部署に名称が使用可能かどうかの確認をしておく必要があります。
また、医療法人の事業年度は任意の1年間を決めることができます。
ただし、都道府県によっては設立できるタイミングが決まっていることもあり、事業年度の初年度は可能な限り1年に近い長い期間を設定しようと思うと、ある程度何月はじまりになるのかは限られます。
東京都の場合、8月or9月の仮申請スケジュールで進めると、2月末には認可がおりて、2月末か3月上旬に設立登記をします。
この設立登記の申請をした日が法人の設立日となって、そこから最初の事業年度が始まります。
たとえば事業年度を3月はじまり2月末決算とした場合、2月末に登記申請をしてしまうと最初の事業年度が数日で終了してしまいます。
事業年度が終了すると確定申告や、都道府県に対する事業年度報告をする必要があり、無駄な手続工数が増えてしまいます。
このあたりのスケジュール感を意識しながら、事業年度を決定します。
法人の社員・役員を決める
社団である医療法人は「社団」=人の集合体なので、設立のために社員となる人を確定する必要があります。
医療法人の社員は一般的な社員という意味ではなく、株式会社でいう株主、いわば医療法人の運営について最終的な意思決定権を握っている人のことを指します。
医療法上、社員の人数に関する直接の規定はありませんが、多くの都道府県では医療法人制度の趣旨にかんがみ、最低でも社員は3人必要という行政指導をしています。
東京都も、社員は最低3人としています。
また、社員とは別に医療法人の業務執行を担う役員の選任も必要です。
医療法人の役員は最低でも理事3人と監事1人の選任が必要です(医療法第46条の5第1項)。
役員と社員の兼任は可能ですが、理事と監事の兼任は不可です。
したがって、医療法人の設立段階では最低でも4人の人が集まらないと、そもそも設立準備を進められません。
医療法人を立ち上げると決めた段階で、社員・役員として参画してもらう人の人選をしておきましょう。
診療所の管理者を決める
医療法人の認可後、個人診療所は法人診療所として開設し直す必要があります。
診療所の開設者は、その診療所が医業をするものの場合は臨床研修等修了医師に、歯科医業をするものの場合は臨床研修等修了歯科医師に管理をさせる義務があります(医療法第10条第1項)。
個人診療所時代から管理者が変わらない場合はそこまで問題は無いかもしれませんが、管理者が変わる場合は、のちのちの手続で医師・歯科医師免許証や保険医登録票と、臨床研修必修化以降の医籍・歯科医籍登録の医師・歯科医師の場合は厚生労働大臣が発行する臨床研修修了登録証が必要になるため、準備をしておいてもらうようにしてください。
予算計画・事業計画等の数値・計画策定
医療法人の認可申請では、認可後2年間の予算計画や、事業計画を作成して提出します。
個人診療所時代の2年間の確定申告書を提出することができ、実績が黒字の場合には省略することも可能ですが、認可書類として提出する・しないとは別に、安定的な医療法人の運営をするためには、明確な数値目標や事業計画は策定しておくべきです。
医療法人の認可申請では、予算計画・事業計画の他にも職員給与内訳の作成や実績表の集計などがあるため、個人診療所時代から、税理士等に任せっきりにしないで、ドクター自身が診療所の経営上の数値についてしっかりと把握しておくと、スムーズに作成が可能です。
拠出財産や負債・リース・賃貸借契約の引継ぎの検討
医療法人を設立して診療所を法人化するということは、様々な財産をドクター個人から法人に移すということになります。
たとえば個人診療所を開設するために抱えた借金などは、債権者の同意を得て法人に移すことが可能です。
また、医療機器などはリース会社からリースをしていることも多いので、このリース契約を個人契約から法人契約に名義変更することも大事です。
同じ話は、診療所のある土地や建物を賃貸している場合も、賃貸借契約の名義変更という形であらわれます。
その他、ドクターが個人所有している土地や建物を診療所として使っている場合には、その土地と診療所を法人所有にするのか、それともドクターから医療法人に貸し付ける形にするのか、など、様々な財産関係の調整をする必要があります。
現在の医療法人は持分なしの法人しか設立することができず、基金拠出型の医療法人に拠出した基金以外では、医療法人に拠出した財産が戻ってくることはありません。
したがって、どのような財産を医療法人に帰属させるのかは、その医療法人の初期運転資金などを踏まえて慎重に判断する必要があります。
医療法人の定款案を作成する
医療法人を設立するためには、定款を作成して、一定事項を定める必要があります(医療法第44条第2項)。
厚生労働省や各都道府県がモデル定款を作成しているので、基本的にはそれを踏襲することになることが多いと思いますが、医療法の枠内で調整できる箇所もあるため、各医療法人の実情に合わせて柔軟に対応してく必要があります。
医療法人の設立後、定款の内容を変更しようと思うとごく一部の軽微な変更を除いて、都道府県知事の定款変更の認可を受ける必要があり、この定款変更認可は新規設立時の認可と同じくらい作業工数も多いため、なるべく定款の変更をしないで済むように、設立の段階でしっかりと内容を検討しておきましょう。
定款の内容をたった1行、たった1文字変更するだけでも認可が必要となるケースはあるので、要注意です。
社員総会を開催する
仮申請をする前までに、医療法人の設立総会を開催して、役員・管理者の選任や、各種予算・事業計画の承認などを行います。
仮申請の締切が8月下旬だとしたら、8月上旬までにはここまで解説してきた内容はすべて済ませておきたいところです。
したがって、そこから逆算しても仮申請締切の3か月前には法人設立に向けて動き始めていきたいところです。
仮申請
東京都に対して仮申請をする場合、郵送で提出します。
最終日に必着となっているので、実際には最終締め切り日よりも前には書類を整えておく必要があります。
書類への押印や、印鑑証明書等の原本提出は不要ですが、この時点であまりにも不備や未記載事項が多いと、書類を提出したものの仮申請を受け付けてもらえず、次回以降のスケジュールにまわってしまうことも考えられます。
直前に駆け込みで準備をすればするほどそうした抜け漏れやミスが増えるため、やはり仮申請締切の2~3週間前には書類を一通り仕上げている状態にするのが好ましいです。
仮申請後、2~3か月の期間は補正対応期間として、提出した書類に不備がある場合などに都道府県担当部署から補正通知が送られてきて、適宜修正対応などをする必要があります。
本申請の締切がだいたい仮申請から約3か月後の末日なので時間があるように思えますが、不慣れな場合は補正事項も多くあっという間に時間が過ぎるので、補正依頼が来たらすみやかに対応しましょう。
本申請
仮申請後の補正依頼も無事にクリアすることができたら、ようやく本申請へと進むことが可能です。
押印が必要な書類や、原本が必要な書類の対応漏れが無いように気を付けてください。
夏の仮申請スケジュールの場合、12月の年末が本申請の締切として設定されます。
医療審議会と認可
医療法人の設立認可にあたって、都道府県知事は医療審議会の意見を聴くことになっているため、医療審議会の開催スケジュールに合わせて認可審査のスケジュールも進むことになります。
12月末に本申請をした場合、おおむね2月上旬には医療審議会が開催されます。
医療審議会の意見を聴いて認可が下りないということはまずありませんが、無事に問題なく認可がおりた場合、認可証の交付は2月の下旬ごろになります。
認可証の交付からそのあとの手続は、時間との戦いになるので事前によく段取りを組んでから進めるようにしましょう。
医療法人設立登記
設立登記
医療法人は、都道府県知事の認可を受けただけではまだ成立しておらず、主たる事務所の地方法務局で設立登記の申請をすることで、成立します。
医療法人の設立登記申請は、認可日(認可証の受領日)から2週間以内に行うこととされています(組合等登記令第2条第1項)。
そして、この設立登記申請をした日が医療法人の設立日となります。
登記の申請をして、実際の登記が完了して登記簿謄本を取得することができるようになるまでは、1~2週間程度かかります。
最初の事業年度を約1年取るために3月頭に設立登記申請をした場合、登記簿謄本を取得できるようになるのが3月の10日~15日前後になります。
設立登記が完了した旨の届出
無事に医療法人の設立登記が完了したら、登記簿謄本を添付して都道府県の医療法人担当部署宛に設立登記が完了した旨の届出を提出します。
医療法人・診療所以外の手続
医療法人の設立登記が完了すると、やるべきことが一気に増えます。
まずは、医療法人関係や診療所関係の行政手続以外の手続で、やるべきことです。
銀行口座開設
まずは医療法人としての銀行口座を開設します。
金融機関によってまちまちですが、個人の口座と違ってその日に行ってその日に口座を作ってもらえるというわけではないので、注意が必要です。
ただ、金融機関の支店や担当者によって、あるいは事前にある程度根回しなどをしておくことで、口座開設までのスピードを短縮させることは可能なので、こうした事前調整も医療法人の設立をするよりも早い段階で進めておくようにしましょう。
公共料金関係の名義変更
水光熱等の公共料金など、個人名義で契約していたものは法人名義に変更が必要です。
こちらも契約機関によって対応方法や速度はまちまちなので、事前にどういったスケジュールになるのか、どんな手続きが必要になるのかは確認しておくようにします。
その他契約関係の名義変更
リース契約や賃貸借契約、その他固定電話や携帯電話の契約等、個人から法人に切り替える必要がある者についても事前に協議を済ませておき、設立後速やかに対応できるようにしておくことが重要です。
抜けモレが無いように、事前に一覧リストなどを作成しておくとスムーズに進めることが可能です。
税務署・都道府県税事務所
医療法人を設立したら、一般の法人と同じように、主たる事務所の管轄税務署に対して、法人の設立届と青色申告の承認申請、給与支払い事務所等の開設届出書等の書類を提出します。
また、個人診療所を開設していた場合には、個人事業の廃業届と、個人の青色申告の取りやめに関する届出を提出します。
また、税務署とは別に都道府県税事務所に対しても法人設立届出書の提出が必要です。
社会保険関係
法人化すると、望むと望まざるとにかかわらず健康保険、厚生年金保険の強制適用事業所となり、加入義務がうまれます。
また、労働保険(雇用保険と労災保険)へも加入しなければなりません。
雇用法権も労災保険も、従業員がいない場合には加入義務はありませんが、従業員を雇わず医療法人化して診療所を開設するということはまずありえないので、これらの保険・年金関係にはすべて加入する義務があると思って問題ありません。
個人診療所時代に医師国保に加入していた場合は、健康保険への加入後に医師国保の喪失手続を忘れないようにしましょう。
診療所に関する保健所手続
個人診療所を開設するときには、保健所に対して診療所の開設届を提出すればOKでした(保険医療機関の指定や、労災保険指定医療機関の指定などは別途必要です)。
しかし、臨床研修修了医師・歯科医師でないものが診療所を開設しようとするときは、診療所開設地の都道県知事または保健所設置自治体の長の許可を受けなければならないとされています(医療法第7条第1項)。
診療所の開設許可申請
事前相談
医療法人の認可後、個人診療所から法人診療所へとスムーズに移行するためには、医療法人の設立登記から1か月程度で、保健所の診療所関係手続と厚生局の保険医療機関指定申請を行う必要があります。
この流れをスムーズに進めるためには、医療法人の認可手続と並行して、保健所との事前調整が必要です。
具体的には、診療所の開設許可に関して、新診療所の内装・レイアウトについて協議するほか、大体のスケジュール感の把握をしておきます。
法人認可、登記完了後に許可申請
診療所の開設許可申請をするタイミングは、医療法人の設立登記申請が完了して、登記簿謄本を取得できるようになってからです。
3月頭に登記申請をした場合、3月中頃には登記簿謄本が取得できるので、その状態になったらすぐに保健所に対して診療所の開設許可申請を行います。
現地審査と許可証交付
保健所が診療所の開設許可を出すためには、実際に診療所を見に来る現地審査を行います。
事前に図面等で調整した内装・レイアウトと大きな相違が無ければ、1~2週間程度で許可証が交付されます。
許可証が交付された後は、いつでも診療を始めることが可能です
夏の仮申請スケジュールで進んできた場合、保険医療機関の指定の切替の兼ね合いで、4月1日を法人診療所の開設日とすることが多いです。
診療所開設後の届出
個人開設診療所の廃止届
これまでのスケジュールで無事に法人診療所を開設することができたら、次は個人の診療所の廃止届を提出します。
個人診療所の開設地の都道県知事または保健所設置自治体の長宛に、廃止した日から10日以内に提出します。
実務的には、管轄保健所に対して提出します。
法人開設診療所の開設届
個人診療所の廃止届と同時に、法人診療所の開設届も提出します。
開設地の都道府県知事または保健所設置自治体の長宛に、開設後10日以内に提出します。
こちらも、実務的には管轄保健所に対して提出します。
法律的には10日以内ですが、これまでのスケジュールで4月1日に法人診療所を開設したのであれば、この後の厚生局の手続との兼ね合いもあるので、間をあけずにすぐに届出を提出しておいた方が良いでしょう。
診療所に関する厚生局手続
保険医療機関の指定申請
これまでの手続で無事に法人診療所を開設するところまで来ました。
しかし、このままでは診療行為に対して保険適用を受けることができません。
保険適用を受けることができない一般の診療所に患者さんは来てくれないので(もともと保険適用外の診療をしているなら別ですが)、保険適用を受けられるようにする手続が必要です。
具体的には、管轄の地方厚生局に対して保険医療機関の指定申請をして、指定を受ける必要があります。
個人診療所から法人診療所へと変わったときに、個人診療所時代に受けていた指定を引き継ぐことはできないので、新しく指定を受けて、新しい医療機関コードを取得する必要があります。
個人開設診療所の指定の辞退
個人診療所時代に受けた指定は法人に引き継ぐことができないので、廃止(辞退)の手続を行います。
法人開設診療所の指定の申請
個人診療所の指定の辞退と併せて、法人診療所の指定申請も行います。
通常、保険医療機関の指定申請は毎月10日前後までに受け付けたものについて、翌月の1日から指定を受けるという形で運用しています。
つまり、今回のスケジュールでいくと、4月1日開設の法人診療所が4月10日ごろまでに指定申請をすると、5月1日から保険医療機関の指定を受けることができます。
しかし、そうすると4月の1か月間は保険医療機関の指定を受けていないことになり、この間に診察した患者さんの保険料については請求できないことになってしまいます。
通常の指定申請の運用では、こうなってしまうことはどうしようもないのですが、個人診療所が法人診療所になったときには一定の条件を満たすことで、遡及適用をすることができます。
遡及適用ができれば、4月の1か月分も保険診療としてレセプト請求可能です。
指定申請の締切日は、各厚生局の担当事務所で異なることがありますので、医療法人化の手続を進める際に事前に調整しておくことをお勧めします。
施設基準の届出
診療報酬の点数算定をする際に、医療機関が一定の設備や人員を満たしていることを届出することを施設基準の届出といいます。
医療法人化に伴い、法人診療所として施設基準の届出を、診療所開設地を管轄する地方厚生局の事務所宛に行います。
こちらも、事前にスケジュールなどは確認しておくとよいでしょう。
個人診療所を医療法人化して診療開始するまでのまとめ
ここまで長い記事を最後までご覧くださりありがとうございます。
ざっくりと医療法人化のスケジュールをまとめると、以下のようになります。
医療法人の認可手続:5~6か月
医療法人の登記手続:2週間
法人診療所の開設手続:1か月
個人診療所の医療法人化は、都道府県よっても異なりますが、仮申請をしてから約7か月はかかります。
ここに、事前の準備などをする期間も考慮すると、法人としての診療を始める1年ほど前から準備する必要があります。
新しい診療所を新築しようと思ったら、もっと前から準備が必要です。
医療法人化を進める際には、思い付きでやるのではなく、しっかりとプロジェクトとして段取りを組んで進めるようにしてください。
行政書士TLA観光法務オフィスでは、医療法人やクリニックに関するお手続のサポートをしております。
診療所の医療法人化は、どの都道府県で進めることになっても、非常に時間のかかる手続です。
そして、時間がかかるだけではなく、医療法の趣旨にのっとって、適切な手順で設立手続を行い、適切な体制を満たしていることを書面で示す、骨の折れる作業です。
もちろん、ドクターご自身でできない手続ではありませんが、数か月も昼は診療所で診察をして、夜にこうした作業に手を取られるというのは、ドクターご自身の貴重な時間を消費するともいえます。
今後積極的に複数分院展開するために、知識を身に付けるということでしたら、手続を内製化していただくのも十分考えられますが、そうではない場合、医療法人化するのは一生にそう何度もあることではないと思います。
私共は、そうしたドクターのサポートをさせていただくべく、日夜知識の研鑽に励んでいるところです。
もし、医療法人化について、気になることがございましたら、ぜひ一度私どもにお話をお聞かせください。
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当面の間、ご相談には無料で対応しております。
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